プロローグ|「収納=片づけ」だと思い込んでいた頃の私

ゆる捨て

片づけようと思っているのに、なぜか部屋がどんどん窮屈になる。「収納=片づけ」だと思い込んでいた頃の私は、まさに収納迷子でした。
今回は、今思い出すとちょっと苦い、6年前の“ゆる捨て以前”の大失敗エピソードをお話しします。


捨てずに収納を増やした結果、こうなった

片づけの最初にやってしまったのが、ものを見直さないまま収納用品を買い足すことでした。おもちゃや日用品を収めるために、白いカラーボックスを次々と購入。

結果どうなったかというと、部屋の周囲がカラーボックスでぐるりと囲まれ、視界は遮られ、ものすごい圧迫感。白で揃えればおしゃれになると思っていたのに、現実はまったくおしゃれではありませんでした。

さらに追い打ちをかけるように、「収納力が高い」という理由だけでFITSの一番大きな7段タイプのチェストを2つも追加購入。当時の私は「これから子どもの服はもっと増える」「2人目も生まれたし、収納は多いほうがいい」「今のうちに場所を確保しておかないと」と、完全に思い込んでいたのです!

でも実際は、収納家具が増えるたびに家の中はどんどん圧迫されていきました。「収納=きれいになる」と思っていましたが、やっていたのは物量をそのまま可視化しただけ

収納を買ったことで、ますます「捨てる」という思考から遠ざかっていきました。


ハンガーラックで追い打ちをかけた話

さらに失敗だったのが、180cm・2段タイプのハンガーラック。クローゼットに入りきらない服を「とりあえず全部かければいいや」と、ぎっしり収納しました。

これが本当に大失敗。ハンガーラックはシンプルな作りですが意外と場所をとり、キャスター付きで「掃除のたびに動かせる!」と思っていたのに、服をかけすぎて重くなり、少し動かすだけでバランスを崩して倒れる。服がなだれ落ちる。その繰り返しでした。

ハンガーも買い足し、おそらく40着近くをかけていたと思います。掃除のたびにハンガーラックが動かしにくいことにストレスを感じ、イライラ。ついにはハンガーラックは物置き部屋へ移動させて、カバン置きに。その結果、物置き部屋もどんどん足の踏み場がなくなっていきました。


布団が増えすぎて招いた、思わぬ悲劇

もうひとつ、かなり困ったのが布団問題でした。新婚当初、シーズンオフの布団はすべてベッド下収納に収めていました。しかし、薄がけ布団・毛布・タオルケットなどを夫の実家からたくさんいただき、布団の量が一気に増えていきました。

「いただきものだし、使うかもしれないし…」そう思って減らさず収納。さらに追い打ちをかけたのが、羽毛布団を新しく購入したことです。本当ならこの時点で古い羽毛布団を手放すべきだったのに、「まだ使える」「いつか来客用に使うかも」と思い、前の布団も残したままにしていました。

その結果、ベッド下収納は限界オーバー。押し込んでも収まらず、出し入れのたびに引っかかり、重たいマットレスを何度も動かすことが大きなストレスになっていました。

それでも私は「収納の工夫で何とかしよう」「圧縮袋を買えば解決するはず」と考え、試行錯誤。根本の“布団の量”を見直すという発想は、まったくありませんでした。

そして迎えた衣替えの季節。布団を入れ替えながら「これはもう使っていない薄がけ布団だよね」と思い、何枚かまとめて処分しました。ところが後日、ふるさと納税で購入した、まだ新品の軽い羽毛布団を誤って捨ててしまっていたことに気づきます。しかも、4万円くらいのちょっといいもの…。

ほかにも布団を処分していたため、どれが薄がけ布団で、どれが毛布で、どれが羽毛布団なのか、自分でも把握できなくなっていました。夫に「買った布団は?」と聞かれて、初めて捨てたのが新しい布団だったことに気づいたのです。
そのとき、私はようやく「自分の家にあるものを、自分で把握できていない」ことを実感しました。

自分の家なのに、何がどれだけあるか把握しきれなくなっていました。


「捨てない片づけ」は存在しなかった

当時の私は「捨てなくても、工夫すれば何とかなる」と思っていました。でも現実は、捨てない・収納だけ増やす、では物量は変わりません
その結果、部屋も気持ちもどんどん重くなる一方でした。

扉の前におもちゃ棚。これではクローゼットを開けられません。
ぎゅうぎゅうに詰め込まれたクローゼット。

ついには夫から「棚購入禁止令」が出ました。今思えば、言われて当然ですよね…。しかし、当時の私はほかの解決方法を知らなかったのです。

この失敗から学んだ、ゆる捨ての大前提

この経験から学んだことは、たったひとつ。

捨てずに収納しても、片づかない

ゆる捨て活は、無理に捨てることでも完璧を目指すことでもありません。まずは、「ものを見直す」ことが何より大切。収納は、減らしたあとに必要な分だけあれば十分でした。


まとめ|収納を買う前に、立ち止まってほしい

もし今、収納用品を買い足そうとしている、片づけているのにスッキリしない、部屋がどこか落ち着かない。そんな状態なら、それはあなたのやり方が悪いわけではありません。ただ、まだ収納を買う順番ではないということ。

私は「収納さえ増やせば何とかなる」と信じて、部屋も気持ちも限界まで追い込んでしまいました。収納を増やしても、ものの量が変わらなければ、管理はどんどん難しくなります。そして最終的に苦しくなるのは、自分自身でした。

失敗して、気づいて、またやり直せばいい。むしろ、その失敗があるからこそ「自分に合った片づけ方」が見えてくる!と、今は前向きに受け止めています。

ぜひ一度、収納を増やす手を止めて、家の中のものを見直してみてください。片づけは、減らすところから始めたほうが、ずっと楽になります。

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